本日の埼玉新聞17面に「学校と塾　垣根を越えて　戸田笹目中　教諭と講師が研修　指導惜しまず共有」という記事が掲載されました。

戸田市の笹目中学で、地域の学習塾３校の講師と笹目中の先生達との協働関係を築く試みが始まったという記事です。

今年、自治基本条例が制定され、市内での「協働」を強く進めていこうとしている戸田市ですが、その一環かなと思いつつ、記事を読みました。

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（埼玉新聞　2014年12月23日）


学校と塾　垣根を越えて
戸田笹目中　教諭と講師が研修　指導惜しまず共有

　戸田市笹目の笹目中学校（戸ケ崎勤校長、生徒531人）で、同校の生徒らが通う地域の学習塾3校の講師と同校の教諭たちとの協働関係を築く試みが始まった。「塾と学校は敵対関係だと思われがちだが、子どもたちを育てるのは学校も学習塾も同じ。地域が子どもを育てるという観点から協力していきたい」と戸ケ��校長が提案。全国でも珍しい試みが動きだした。

（岸鉄夫）

　15日、初めての学習塾の講師を招いた研修会が同校で開かれた。集まった学習塾は埼英スクール北戸田校、湘南ゼミナール北戸田教室、スカイアカデミー笹目教室の講師や本部の幹部ら計７人。学校側は戸ケ崎校長ら教諭35人全員が出席した。

　三つの塾の代表が指導方針などについて講演。宿題や小テストで、生徒をやる気にさせ、自信を持たせる「秘策」やノウハウが明かされた。

　埼英スクールの佐々木誠さん（51）は「回答の結果ではなく、途中の努力を認めて褒めることにしている。生徒が『やればできる』と実感させる指導を大切にしている」。

　湘南ゼミナールの緒方和さん（43）は「他教科の進展具合を知っていることが、子どもから信頼される要素。また、子どもの指導は１人では無理。子どもを巻き込んだチームの力が大事」と話した。スカイアカデミーの東江秀一さん（38）は「子ども一人一人に向き合い寄り添っている」と話した。

　笹目中の教諭たちは熱心に耳を傾けていた。理科担当の水村孝さん（57）は「子どもが勉強するのなら、学校でも塾でもいい。子どものことで塾と学校でもっときめ細かい情報交換をしたい」と話した。戸ケ崎校長は「学習塾の優れた指導法はどんどん取り入れたい。今後も協力関係を重ねていく」と話した。

　討論を見守った埼玉大学教育学部の二宮裕之教授は「学力とは何かを押さえた議論が必要。テストの点数を上げることだけが教育ではない。テストでは測れない学ぶ力、考える力を育てることも含めて、学校と塾が協力できることがあるのではないか」と笹目中の試みに期待を寄せる。

　塾講師と学校の教諭の両方を経験したことのある二宮教授は「皆さんの気持ちはよく分かる。学んだ力はテストで測れるが、測れない『学ぶ力』を育てたい。本当に分かった子どもたちはとてもいい顔をする。それが忘れられなくて教員を続けている」と話した。

　県教委義務教育指導課の佐藤勝俊主事（50）と戸田市教委の杉森雅之指導主事（39）も見学し「公立学校と塾が力を合わせて子どもを育てていく取り組みは珍しい。貴重な一歩」と話した。