先月の話になりますが、３月19日（火）に戸田市役所５階会議室で開催された戸田市政策研究所の政策シンポジウムに参加して、平成24年度の研究発表を聴講しました。

戸田市政策研究所は、神保国男・戸田市長が設置された政策シンクタンクですが、このような政策研究所を自治体がもち自治体の施策づくりに反映させているのはとても珍しい試みで、実はとても誇らしいことです。

seisakuken04


私はかつて、株式会社日本能率協会総合研究所（シンクタンク）地域経営研究室（当時）の研究員で、人口10万人前後の都市の計画づくりに携わっていましたが、仕事でも例えば１年間ずっとある自治体のある分野に特化して関わり続けるということはありませんでした。

それを思えば、戸田市の政策研究所は、いくつかのテーマを設定し一年間かけて現状把握から分析、提言までをじっくり行うわけですから、それだけ中身の深い研究活動ができます。ですから、今回のシンポジウムの内容をとても楽しみにしておりました。

そして実際に参加したのですが、私は内容もさることながら、実はあることに驚きを持ちました。

それは、戸田市の若手職員がこの政策研究所の研究に携わり、現場に入り、現状を把握し、他都市の事例を研究し、そして問題点をどう解決していくかの提言活動に深く関わっていたことでした。

シンクタンクに外部委託して、その結果を聞くというスタンスでなく、自ら自分が担当する部署に関する研究活動に参加し、現場を踏まえながら考えていく・・・これは素晴らしいことです。

自治体間競争が高まる中、やはり自治体においても「人材育成」がその自治体が今後伸びていくためには不可欠で、私たちの戸田市では、政策シンクタンクという場を通じて、市職員の育成を図っているということがわかりました。戸田市の将来に期待が持てました。


seisakuken05

今回のテーマは次の３つでした。
  • 超高齢社会に備え高齢者を中心とした住宅確保、要配慮者に対する住宅施策の充実に関する研究
  • 戸田市おけるシティーセールス、今後の方向性について
  • 市内交通の低炭素化に向けたEV普及についての研究
今回の政策シンポジウムでは、たとえば「シティーセールス（私は『売り込み』という意味の『シティーセールス』より『理解、共感、ブランド力向上』という 意味をもつ『シティープロモーション』という言葉を用いた方が良いと思っています）」などについては、私もこの分野を専門として他の自治体で指導している こともあり、もっとこういう観点から考えた方が良いのではと思う部分はありましたが、それ以外の報告については、勉強になることも多かったです。

戸田市ホームページでは、この政策シンポジウム当日に配布された資料がPDFでダウンロードできるようになっています。関心のある方はどうぞご覧ください。

　→　http://www.city.toda.saitama.jp/456/455254.html