先日の日本経済新聞埼玉版インフォメーション欄に、11月24日14時から15時まで戸田中央看護専門学校で開催される市民公開講座のお知らせが掲載されていました。

タイトルは「乳房再建〜乳がんから解放される選択肢〜」で、戸田中央総合病院形成外科の宮本英子部長が手術の種類や方法を紹介されるそうです。

参加費は無料ですが、申し込みが必要(電話048-442-1393)です。

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さて、ここからは個人的な話です。

私が19歳の時に実母を癌で亡くしたことはこのブログに書いたことがありますが、まもなく母の命日がやってきます。

私は、母を失ってから、母に反抗していた自分を責める気持ちでいっぱいになりました。母の癌がわかってから、それも末期癌で家族には余命宣告されてからは、手術から母が亡くなるまでの6ヶ月、寄り添いながらの看病生活を送りましたが、それ以前は何かと衝突することが多く、どうしてもっと優しくできなかったのだろうと後悔しました。しかし失った時間は戻ってはきません。

それでも、そんな体験をしたのだから、これは何かにつなげなくてはと思うようになり、そこで選んだのが社会心理学を学ぶ道でした。当時は、死を目前とした患者さんの心理について、医学の場でも看護学の場でも正式に教育カリキュラムの中に入ってはいませんでした。社会心理学ならその分野をテーマとした学びができるのではないか。何かこの分野に関して社会に貢献できるのではないか、当時の私はそう考えました。

その後、私は大学に進学しましたが、大学の1・2年は教養課程で専門的な内容はさほど学びません。私は、この期間、生と死や人の生き方をテーマとして書かれた本を初めとしたいろいろな分野に渡る書物をひたすら読み、休みになったら旅に出て様々な地域で暮らしている方の話を聴くという日々を過ごしました。もちろん、サークルにも入り恋もしましたし、それなりに大学生活を楽しんでいました。

そうしているうちに、専門を学べる大学3回生(3年生)になり、社会心理学のゼミに入ることができました。そこで大学院の先輩方や看護学校の先生達と「生と死に関する意識構造の研究」という共同研究に関わることができるようになり、私はそのためにここに進んできたんだ、ここに繋がっていたんだ!との思いを強く持ちました。


ところで、当時、いろいろと書物を読みあさっていたときに、著者に強く惹かれて、集中的に読んだ本があります。

それは千葉敦子さんの書物でした。最初に手にしたのは彼女の「ニューヨークでがんと生きる」という本でした。東京新聞経済部記者として活躍した後に、海外に留学され、その後フリーランスとして海外誌紙の東京特派員として活動していたときに乳がん手術を受けた彼女。その後、癌が再発したものの、渡米し現地でがんと向き合いながらジャーナリストとしての活動を続けられておりました。

私が千葉敦子さんの著作を読みあさっているその時に、千葉さんは還らぬ方となってしまいましたが、「乳がんなんかに敗けられない」「わたしの乳房再建」「よく死ぬことはよく生きることだ」「『死への準備』日記」「昨日と違う今日を生きる」など、彼女の書かれた本が私の心に与えた影響は大きなものでした。そして千葉敦子さんの生き方や書物を読んだ時の感慨は心の中に今なお息づいております。

今では技術も進歩して、早期発見早期治療の癌は治る可能性が高くなってきました。また、乳がんもその治療法がいろいろと出てきました。ありがたいことです。

そういうこともあり、この戸田市でピンクリボン運動がよく知られるようになったり、戸田中央総合病院さんでこのような市民講座が開催されたりすることを大変嬉しく思っております。