今日の埼玉新聞に、戸田市の成人式が行われる戸田市文化会館から一番近い着物屋さんである上戸田のきもの三京さんが記事掲載されていました。

今日から戸田市文化会館で始まった展示会で、秩父の養蚕業者が育てた繭を紡いだ生糸を使って、三坂さんの生まれ故郷の山形県で染め織った紬(つむぎ)の絹織物を完成させ「彩り綾紬」と名付けられたそうです。

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(埼玉新聞 2012年6月16日 6面 県央欄)


故郷と埼玉結ぶ織物 秩父の生糸、山形で製品化
戸田の呉服店主 三坂さん


 戸田市内の呉服店主が、秩父の養蚕農家が育てた繭を紡いだ生糸「いろどり」を、故郷の山形県白鷹町に運び、桜の木の皮でピンクに染め織った紬(つむぎ)の絹織物を完成し「彩り綾紬」と名付けた。故郷の山形と育ててくれた埼玉をつなげる物を作りたいという思いが実った。

(岸鉄夫)

 この人は同市上戸田の「きもの三京」店主で、戸田市観光協会専務理事も務める三坂功さん(63)。山形県尾花沢市出身。地元の県立北村山高校を卒業し、東京・日本橋堀留の呉服問屋に就職。各地の呉服店を回り、知識を深めた。5年後、蕨の呉服店主に見込まれて転職、10年間務め、33歳だった1982年に独立し、今の店を開店した。

 「そのころ、店の前は一面の梅林。埼京線もなかった。町は変わった。今年がちょうど開店30周年。その記念に、私を育ててくれた埼玉と故郷山形を結びつけることを思い付いた」と言う。今年1月、秩父の養蚕組合や秩父シルクの会、秩父銘仙館などを訪ねて商談開始。秩父の繭を山形県鶴岡市の製糸工場で生糸にし、段ボール1箱分の生糸約20キロが出来上がった。

 生糸は白鷹町の織元「白鷹綾織」に送り、桜でピンク、紅花で赤、玉倍子(ぎょくばいし)で薄緑の3色に染めた。織り上げたのは、昔ながらの手機(てばた)織機。女性達が熟練の技で織り上げた。和服用の布地は、幅48センチ、長さ12メートルで1反。女性3人が2ヶ月かけ、4反を織り上げた。

 出来上がった織物を前に、三坂さん、妻恵貴子さん夫妻は「思ったよりいい風合いになったね」と満足そう。恵貴子さんとは蕨の呉服店時代に知り合い恋愛結婚。長男修さん(32)は「小さいころから両親の働いている姿を見てきた。呉服屋を継ぎます」と話す。


 三坂さんは97年に「戸田の渡し」など戸田の文化財9景を図案化し京都の友禅で仕上げ、07年には戸田市の木である金木犀(キンモクセイ)の皮を使った草木染のスカーフを手がけ、オリジナル製品の開発は今度で3度目。三坂さんらは16日から18日まで、戸田市文化会館で「彩り綾紬」の発表会を開く。