戸田市には「地域通貨戸田オール」というものがあります。

私はその運営委員会のひとりです。今は2代目の委員長をしています。

地域通貨戸田オールには、10オール・100オールの2種があり、私たち運営委員会が主催する地域通貨 de お店体験隊や、戸田市商工祭での地域通貨 de お店体験隊などに参加したり、市内の市民活動団体さんが主催されるエコライフディや上戸田商店会が主催する上戸田ゆめまつりでの清掃活動でボランティア体験をしたりすると地域通貨戸田オールをもらうことができ、また市内の市民活動の団体さんによって小学校で定期的に地域通貨戸田オールとおもちゃの交換会が開かれることから、戸田市においては特に小学生の子どもさんたちに知られているものです。

私たちの地域通貨戸田オールは、協賛店で、10オールは10円、100オールは100円として使うことができますが、地域通貨自体はお金で簡単に買うことができません。発行に関しては規定があり、規定に則ってボランティア活動やまちづくり、コミュニティ活動に関することを行う場合に、運営委員会の承認を経て発行されるという位置づけになっています。

地域通貨戸田オールは、戸田市をボランティア活動や市民活動、コミュニティ活動が盛んなまちにしたいという神保国男市長の想いのもと、私が戸田市に引っ越して来る前につくられた仕組みで、戸田市や戸田市商工会、そして市民が協同して運営委員会をつくっています。そこには、私たちは地域通貨を単なる商品券の代わりというものでなく、それを手にした方々に「活動の記憶」を深く思い出の中に刻んで欲しいという願いを込めています。

何かやって10円や100円をもらっても、財布の中で他のお金と一緒になってしまえば、使うときにそれは単なるお金に過ぎなくなります。それが地域通貨であれば、とくにそう簡単には手に入らないものであるだけに、使う際にこれは○○をやったときにもらったものという記憶を思い出すはずです。

地域におけるボランティア・市民活動、コミュニティ活動は、地域に関わるきっかけであって、そんな活動を通じて、人はまちに対する「わがまち意識」を持つようになります。私たちは市民の皆さんに、この戸田市を「わが戸田市」と思ってもらいたい。そしてそういう想いが深まることで「我がまちのことは我が手で」という意識も深まり、まちをきれいにとか、まちを元気にとか、そんな気持ちにつながっていくことを願っています。


ところで、数ヶ月前のことですが、戸田市商工会青年部の方々に、私が運営委員長を務める戸田市の地域通貨戸田オールを説明申し上げる機会がありました。

その席には、戸田市商工会青年部OBであり、地域通貨戸田オールの協賛店でもある自家焙煎珈琲豆工房のまめぞうを経営される佐藤一さんも参加されておりました。

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http://mamezo.tv/

以下は、その佐藤さんが、地域通貨戸田オールに関して、うちの店ではこんなことがありました、と説明くださった話です。

当時、まめぞうさんが加入している戸田市上戸田商店会では、プリンタの使用済みインクカートリッジと地域通貨戸田オール(カートリッジ1個につき10オール)の交換をやっていました(現在は終了しています)。

そんなある日、小さな男の子がちょっと恥ずかしそうな顔をしながら、まめぞうさんにやってきたそうです。その子の手には地域通貨戸田オールとインクカートリッジが入った袋が握られていました。

そして男の子は佐藤さんに地域通貨とインクカートリッジを差し出して「今日はお母さんの誕生日だから、お母さんの好きな珈琲をプレゼントしたいんだ」と言ったそうです。佐藤さんは「そう、お母さん喜ぶね」と言いながら、その子にどんな豆が欲しいのかを尋ねると、それはどうやら「ブルーマウンテン」のようでした。

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男の子が持ってきた地域通貨とインクカートリッジ(地域通貨に交換)の合計は約900円相当。

この値段では通常売りのブルーマウンテンは買えません。

でも、キラキラ目を輝かせて佐藤さんを見つめる子どもの顔を前に、「きっとこの子はお母さんを喜ばせてあげたいと思って一所懸命に地域通貨とインクカートリッジをためたんだろうな、そして地域通貨が使えるお店一覧を見ながらどのお店ならお母さんへのプレゼントを買うことができるだろうと考えたに違いない」そんな様子が佐藤さんの心には浮かんできたそうです。

そしてある考えが佐藤さんの頭にひらめきました。

自家焙煎珈琲豆工房まめぞうさんには「お試しセット」という量を小ぶりにした商品があります。数種類があるのですが、もちろんブルーマウンテンは高価なので通常はその中には入っていません。でも、それを使えば・・・。

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「そうか、お母さんの誕生日プレゼントのためにきみも頑張ったんだね。なら、おじさんもがんばっちゃおうかな」

佐藤さんはその言いながら、ブルーマウンテンのお試しセットをつくって、そっとお試しセットの中に忍ばせたそうです。そして、男の子にお試しセットの箱を差し出しました。

男の子は目の前にあるお試しセットの中に、お母さんが好きなブルーマウンテンを発見しました。男の子が選んだのはもちろん言うまでもありません。


きっとその晩、お母さんは思いがけないプレゼントをもらって、喜んだに違いありません。そしてその日のことは男の子とお母さんにはしっかりと記憶に刻まれたことでしょう。

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私たちの地域通貨をそのように扱ってくださった佐藤さんには大変感謝しています。

■ 自家焙煎珈琲豆工房まめぞう
  http://mamezo.tv/
  戸田市上戸田5-11-1


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