今日の産経新聞朝刊生活LIFE欄「東日本大震災 今何ができる」というコーナーに「放射性セシウム減らす調理法は? 肉魚は塩水で内部の水出し 野菜類は水洗いとあく抜き」という記事が掲載されていました。
先日このブログでも、私の知人の方から戸田市内の学校給食について問い合わせた内容を情報提供いただき、多くの方々がそれをお読みになりました。情報提供いただいたハンドルネーム・みぢんこさんには感謝申し上げます。
福島第一原発から離れていても、気流にのって飛んできている放射性物質の堆積と内部被曝の可能性が心配になり、「食」、とりわけ子供さんの食への心配が高まっているわけですが 、そんな時にこのような記事が載ってありがたいです。

(産経新聞 2011年6月8日)
東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、各地の農作物から放射性セシウムが検出されている。市場に出る食品は国による放射性物質(放射能)の暫定基準(規制)値を下回っているが、中には自家栽培の野菜や海や川で釣った魚に問題はないか心配な人もいるだろう。食品の放射性セシウムを減らす調理法を紹介する。
放射性セシウムの構造はカリウム(ミネラルの一種)と似ており、筋肉を中心に均一に体内に行き渡る。一般に半減期(物理学的半減期)は30年と長いが、体内での半減期(排泄などで体内から失われる生物学的半減期)はそれより短く、若い人ほど短くなる。国は東日本大震災後、飲料水・牛乳・乳製品は1キログラムあたり200ベクレル、肉・穀類・野菜・魚・卵などは500ベクレルを基準値と設定。基準値を超えた食品は出荷自粛や出荷停止など口に入らない措置をとっている。
食品のセシウムを減らすにはどうしたらいいのか。放射能に詳しい滝澤行雄・秋田大学名誉教授(78)医学博士によると、セシウムは水溶性のため表面をよく洗い、煮物や煮付け、酢漬けや塩漬けなど食品から水分がでる調理法で、ある程度除染できる。逆に焼いたり、揚げたり、蒸したりして水分を食品中に閉じ込めてしまう調理法は避けたほうがいいという。
具体的には、肉の場合は冷凍し、解凍してから4〜5時間、塩水(濃度10%)に浸しておく方法がある。魚の場合は、うろこ、ひれ、頭、内蔵を取り、50〜100グラム程度に小分けし、塩水(同4〜6%)に1日程度浸し、時々水を交換すると87〜99%取り除ける。葉菜類は、水洗いとあく抜きが効果的という。
一方、ジャガイモ、ニンジンなどの根菜類は皮とへこんだ部分にセシウムが集まりやすいため、皮とへこみ部分を取り除いてゆでるといい。果物もよく洗った後で、2〜3時間水に浸すと効果がある。
バランスの良い食事が、摂取セシウムの影響を低減させるという報告もある。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)後、ウクライナの放射能に詳しい医師や専門家が集まり作成した冊子「チェルノブイリ:放射能と栄養」によると、食事で摂取するカリウムが減ると、放射性カリウムが蓄積されやすくなる。精神的な問題や感染症などで体の抵抗力が落ちても体内に蓄積されやすくなるという。一方で、チーズ、肉、豆類に含まれるリジンやメチオニンなどの必須アミノ酸は、セシウムの蓄積を抑えることができることが動物実験で分かっている。
同冊子を翻訳した独立行政法人「放射線医学総合研究所」(千葉県稲毛区)の白石久二雄・元内部被ばく評価室長(61)農学博士は「食物繊維にはがん化を防ぐ作用もあり、バランスの良い食事で放射能の影響を少なくできる。必要な栄養素がなければ放射線で傷ついたDNAをうまく修復できない」と話す。しかし、原発事故や震災による被災者は、避難所で配られる食事がおにぎりやパンしかないなど十分な栄養を得られていない。福島第1原発に近い福島県南相馬市の学校などでは現在でもパンと牛乳といった給食提供が続いている。
白石元室長は「“生きる”ための食事はもちろん、放射性物質の影響を減らす食事の提供も国の責任で考えるべきではないか」と指摘している。
先日このブログでも、私の知人の方から戸田市内の学校給食について問い合わせた内容を情報提供いただき、多くの方々がそれをお読みになりました。情報提供いただいたハンドルネーム・みぢんこさんには感謝申し上げます。
福島第一原発から離れていても、気流にのって飛んできている放射性物質の堆積と内部被曝の可能性が心配になり、「食」、とりわけ子供さんの食への心配が高まっているわけですが 、そんな時にこのような記事が載ってありがたいです。

(産経新聞 2011年6月8日)
放射性セシウム減らす調理法は?
肉魚は塩水で内部の水出し 野菜類は水洗いとあく抜き
東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、各地の農作物から放射性セシウムが検出されている。市場に出る食品は国による放射性物質(放射能)の暫定基準(規制)値を下回っているが、中には自家栽培の野菜や海や川で釣った魚に問題はないか心配な人もいるだろう。食品の放射性セシウムを減らす調理法を紹介する。
(村島有紀)
煮物、煮付け、酢漬け
放射性セシウムの構造はカリウム(ミネラルの一種)と似ており、筋肉を中心に均一に体内に行き渡る。一般に半減期(物理学的半減期)は30年と長いが、体内での半減期(排泄などで体内から失われる生物学的半減期)はそれより短く、若い人ほど短くなる。国は東日本大震災後、飲料水・牛乳・乳製品は1キログラムあたり200ベクレル、肉・穀類・野菜・魚・卵などは500ベクレルを基準値と設定。基準値を超えた食品は出荷自粛や出荷停止など口に入らない措置をとっている。
食品のセシウムを減らすにはどうしたらいいのか。放射能に詳しい滝澤行雄・秋田大学名誉教授(78)医学博士によると、セシウムは水溶性のため表面をよく洗い、煮物や煮付け、酢漬けや塩漬けなど食品から水分がでる調理法で、ある程度除染できる。逆に焼いたり、揚げたり、蒸したりして水分を食品中に閉じ込めてしまう調理法は避けたほうがいいという。
具体的には、肉の場合は冷凍し、解凍してから4〜5時間、塩水(濃度10%)に浸しておく方法がある。魚の場合は、うろこ、ひれ、頭、内蔵を取り、50〜100グラム程度に小分けし、塩水(同4〜6%)に1日程度浸し、時々水を交換すると87〜99%取り除ける。葉菜類は、水洗いとあく抜きが効果的という。
一方、ジャガイモ、ニンジンなどの根菜類は皮とへこんだ部分にセシウムが集まりやすいため、皮とへこみ部分を取り除いてゆでるといい。果物もよく洗った後で、2〜3時間水に浸すと効果がある。
バランス良い食事
バランスの良い食事が、摂取セシウムの影響を低減させるという報告もある。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)後、ウクライナの放射能に詳しい医師や専門家が集まり作成した冊子「チェルノブイリ:放射能と栄養」によると、食事で摂取するカリウムが減ると、放射性カリウムが蓄積されやすくなる。精神的な問題や感染症などで体の抵抗力が落ちても体内に蓄積されやすくなるという。一方で、チーズ、肉、豆類に含まれるリジンやメチオニンなどの必須アミノ酸は、セシウムの蓄積を抑えることができることが動物実験で分かっている。
同冊子を翻訳した独立行政法人「放射線医学総合研究所」(千葉県稲毛区)の白石久二雄・元内部被ばく評価室長(61)農学博士は「食物繊維にはがん化を防ぐ作用もあり、バランスの良い食事で放射能の影響を少なくできる。必要な栄養素がなければ放射線で傷ついたDNAをうまく修復できない」と話す。しかし、原発事故や震災による被災者は、避難所で配られる食事がおにぎりやパンしかないなど十分な栄養を得られていない。福島第1原発に近い福島県南相馬市の学校などでは現在でもパンと牛乳といった給食提供が続いている。
白石元室長は「“生きる”ための食事はもちろん、放射性物質の影響を減らす食事の提供も国の責任で考えるべきではないか」と指摘している。
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