以下の文章は、私がある雑誌に寄稿したものです。よろしければご笑覧ください。
8月30日に投開票が行われた衆議院選挙では、民主党が過半数以上を制する圧勝という結果に終わりました。
選挙期間前から民主党の優勢が伝えられる中、自民党はCMで民主党の鳩山党首似の男性が出演するアニメーションまでつくり「民主党に任せて大丈夫か」と不安をあおり立て、麻生首相自ら民主党への批判を繰り返すネガティブキャンペーンを行いましたが、その姿にこれまで長きにわたり国政を担ってきた矜恃を感じることはできませんでした。いわば闘う前から負けていたのです。
ところで、今回の選挙は2つの大きなことを日本国民に気づかせてくれたと思います。
ひとつは「一人ひとりの投票によって政権が変わりうる」という事実です。
投票により政権交代が実現したとはいえ、「新政権がなんとかしてくれるだろう」という国民の「お任せ民主主義」「観客民主主義」精神自体が変わるにはまだしばらく時間と経験を要すると思いますが、それでもこれまで漂っていた「自分一人が投票したって何も変わらない」というあきらめ感から「もしかすると変えることができるかもしれない」という希望に転じるきっかけが示されました。「どうせ・・・」と「もしかすると・・・」では、後に生み出される結果が大きく異なります。「心理」が変化することで大きな変化が生まれるのです。
もうひとつは「状況によっては一党圧勝の結果を作り出してしまう小選挙区制」という怖さです。
小選挙区では勝つか負けるかなので、得票が均衡していても当選者は一人です。そのため、政党別の得票率の差以上に、議席数の差がついてしまいます。今回の選挙では、民主党の小選挙区での得票率は5割以下でしたが議席数では7割以上、自民党の得票率は4割近くでしたが議席数は2割という結果でした。世間的には「民主圧勝」で国民の大多数が民主党を支持したかのような雰囲気がありますが、得票からみると結果はそうではなく、投票率が69.28%だったことを併せて考えると、今回民主党に投票したのは有権者の35%弱だったということになります。それでも、民主党はこの選挙制度によって政権を取り圧倒的な議席数で衆議院で決定する権力をもったのです。あのナチスドイツ・ヒトラーも選挙によって国民から選ばれました。もちろん日本は「英雄」が生まれにくい土壌だと言われ、また時代が流れ過去に学ぶこともできる現在、そう簡単に同じような過ちは起こりにくいとは思いますが、今後の雰囲気次第では国民の半数が支持していなくても特定政党に圧倒的議席数を与え、それを「民意」と思わせうる危険性を今の選挙制度がもっていることは肝に銘じておくべきでしょう。
いずれにせよ、過去とは異なる政権がスタートしました。期待をもちつつ、かつ、何らかの形で自ら関わりながら自分たちの地域と国をつくる気概を示しながら「お任せ民主主義」「観客民主主義」とおさらばしていくことが、次の世代に良い日本を残す私たちの責務だと思います。
8月30日に投開票が行われた衆議院選挙では、民主党が過半数以上を制する圧勝という結果に終わりました。
選挙期間前から民主党の優勢が伝えられる中、自民党はCMで民主党の鳩山党首似の男性が出演するアニメーションまでつくり「民主党に任せて大丈夫か」と不安をあおり立て、麻生首相自ら民主党への批判を繰り返すネガティブキャンペーンを行いましたが、その姿にこれまで長きにわたり国政を担ってきた矜恃を感じることはできませんでした。いわば闘う前から負けていたのです。
ところで、今回の選挙は2つの大きなことを日本国民に気づかせてくれたと思います。
ひとつは「一人ひとりの投票によって政権が変わりうる」という事実です。
投票により政権交代が実現したとはいえ、「新政権がなんとかしてくれるだろう」という国民の「お任せ民主主義」「観客民主主義」精神自体が変わるにはまだしばらく時間と経験を要すると思いますが、それでもこれまで漂っていた「自分一人が投票したって何も変わらない」というあきらめ感から「もしかすると変えることができるかもしれない」という希望に転じるきっかけが示されました。「どうせ・・・」と「もしかすると・・・」では、後に生み出される結果が大きく異なります。「心理」が変化することで大きな変化が生まれるのです。
もうひとつは「状況によっては一党圧勝の結果を作り出してしまう小選挙区制」という怖さです。
小選挙区では勝つか負けるかなので、得票が均衡していても当選者は一人です。そのため、政党別の得票率の差以上に、議席数の差がついてしまいます。今回の選挙では、民主党の小選挙区での得票率は5割以下でしたが議席数では7割以上、自民党の得票率は4割近くでしたが議席数は2割という結果でした。世間的には「民主圧勝」で国民の大多数が民主党を支持したかのような雰囲気がありますが、得票からみると結果はそうではなく、投票率が69.28%だったことを併せて考えると、今回民主党に投票したのは有権者の35%弱だったということになります。それでも、民主党はこの選挙制度によって政権を取り圧倒的な議席数で衆議院で決定する権力をもったのです。あのナチスドイツ・ヒトラーも選挙によって国民から選ばれました。もちろん日本は「英雄」が生まれにくい土壌だと言われ、また時代が流れ過去に学ぶこともできる現在、そう簡単に同じような過ちは起こりにくいとは思いますが、今後の雰囲気次第では国民の半数が支持していなくても特定政党に圧倒的議席数を与え、それを「民意」と思わせうる危険性を今の選挙制度がもっていることは肝に銘じておくべきでしょう。
いずれにせよ、過去とは異なる政権がスタートしました。期待をもちつつ、かつ、何らかの形で自ら関わりながら自分たちの地域と国をつくる気概を示しながら「お任せ民主主義」「観客民主主義」とおさらばしていくことが、次の世代に良い日本を残す私たちの責務だと思います。
コメント
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但し、自分は民主党が今の日本が持つ閉塞感を、全て打ち破れるとは思いません。
その為にも自民党に、奮起をしてもらいたいです。