「次の世代によりよい日本を」を旗印に、政治的には中立な立場から、国選、首長選、県議選、市議選などにおける公開討論会や、対話集会、講演会等を行っている「いしん埼玉市民の会」の会報に投稿する予定原稿です。本日総会がありますが、その前に行われる定例会で推敲され、修正・削除される可能性もありますが、アップいたします。
「賢者は歴史に学ぶ」
横須賀にある三笠記念公園。そこには日露戦争の連合艦隊旗艦「三笠」が記念艦として保存されている。艦内には当時のものが資料として展示されており、日露戦争の背景や経緯、日本の勝利がその後の世界に及ぼした影響などがわかる資料館となっている。
日露戦争前夜、すでに満州をその影響下に置いていたロシアはさらなる南下の意図をもち、朝鮮そして日本にまでその影響力を広げようとしていた。日本はぎりぎりまで交渉の道を探ったものの、結局、国の存亡をかけて大国ロシアと衝突せざるを得なかった。
当時の日本は明治維新から40年弱、幕末の戦乱の中から新しい国づくりを担ってきた人材がまだ国家の要所要所に存在した。日本とタイ国を除くアジアの国々がヨーロッパ列強の植民地とされた国際情勢の中、「列強と対等に渡り合える国になりたい」という国のビジョンと危機感は政治家、軍人、官僚、国民に共有されていた。国力に大きな差がある中で開戦に踏み切った日本は、自国の状況、露国の状況を冷静に把握分析し、「ロシアがヨーロッパの兵力を東部に向ける前に緒戦で勝利し、講和に持ち込む」という方針をたて、陸戦、海戦、情報戦、外交、国際世論の形成、戦費調達等がその方針のもと連携をとりながら遂行され、ロシアの誇るバルチック艦隊を撃滅した日本海会戦の完全勝利、奉天会戦の勝利を経て、アメリカの仲介により講和に持ち込むことができたのは史実の示すところである。
昨年は日本海会戦から100年目であったが、翻って今の日本を考えると、国の存亡がかかるほどの経済的危機に直面しているにもかかわらず、国民にその危機感がひろく感じられないのはどういうことであろうか。そこには「現状を見据え、将来のあるべきビジョンを意識し、方針を立て、それを広く国民で共有し、方策を考え実行していく」という国の姿があまり感じられない。そればかりか、昨今では耐震構造偽造やライブドア事件、アメリカ産牛肉輸入問題など、今まで信じてきたものの根幹を揺るがすような事件が、それぞれの背景にある問題を深堀りする間も無く次々にマスコミに登場する一方、「勝ち組」「負け組」という言葉に代表される「格差社会」が現実化し、それらが不安感やあきらめの気持ち、ストレスを社会全体に広めている。危機に対して一体となって当たるべき時に、すでに国民は精神的に分断され危機感を共有しにくくなっているのかもしれない。このような状況下では人は目の前にみえることに意識を向けるか、現実逃避を選びがちである。公共心の低下、地域の自治組織への参加率低下、自分だけよければという意識の蔓延、働かない若者(ニート)問題、投票率の低下など、いろいろな問題の根本にこの「ビジョンと方針の非共有」が関わっているように思える。
今こそ、今一度将来のありたい国家や地域の姿(ビジョン)を掲げ、現在の経済的危機を招いた原因と現状を把握した上で、そのビジョンに進むための方針が広く国民に共有されることが重要である。ひとりでも多くの人に「次の世代によりよい日本を」という意識が広まるよう私たちが声を出し続けるのと同時に、政治家も方策を唱える前に共有すべきビジョンや方針を繰り返し繰り返し訴えていくことが、国民の意識を変える力となる。
『賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ』という言葉がある。未曾有の危機に直面して、ぜひ先人が危機を乗り越えた歴史に学びたいものである。
「賢者は歴史に学ぶ」
横須賀にある三笠記念公園。そこには日露戦争の連合艦隊旗艦「三笠」が記念艦として保存されている。艦内には当時のものが資料として展示されており、日露戦争の背景や経緯、日本の勝利がその後の世界に及ぼした影響などがわかる資料館となっている。
日露戦争前夜、すでに満州をその影響下に置いていたロシアはさらなる南下の意図をもち、朝鮮そして日本にまでその影響力を広げようとしていた。日本はぎりぎりまで交渉の道を探ったものの、結局、国の存亡をかけて大国ロシアと衝突せざるを得なかった。
当時の日本は明治維新から40年弱、幕末の戦乱の中から新しい国づくりを担ってきた人材がまだ国家の要所要所に存在した。日本とタイ国を除くアジアの国々がヨーロッパ列強の植民地とされた国際情勢の中、「列強と対等に渡り合える国になりたい」という国のビジョンと危機感は政治家、軍人、官僚、国民に共有されていた。国力に大きな差がある中で開戦に踏み切った日本は、自国の状況、露国の状況を冷静に把握分析し、「ロシアがヨーロッパの兵力を東部に向ける前に緒戦で勝利し、講和に持ち込む」という方針をたて、陸戦、海戦、情報戦、外交、国際世論の形成、戦費調達等がその方針のもと連携をとりながら遂行され、ロシアの誇るバルチック艦隊を撃滅した日本海会戦の完全勝利、奉天会戦の勝利を経て、アメリカの仲介により講和に持ち込むことができたのは史実の示すところである。
昨年は日本海会戦から100年目であったが、翻って今の日本を考えると、国の存亡がかかるほどの経済的危機に直面しているにもかかわらず、国民にその危機感がひろく感じられないのはどういうことであろうか。そこには「現状を見据え、将来のあるべきビジョンを意識し、方針を立て、それを広く国民で共有し、方策を考え実行していく」という国の姿があまり感じられない。そればかりか、昨今では耐震構造偽造やライブドア事件、アメリカ産牛肉輸入問題など、今まで信じてきたものの根幹を揺るがすような事件が、それぞれの背景にある問題を深堀りする間も無く次々にマスコミに登場する一方、「勝ち組」「負け組」という言葉に代表される「格差社会」が現実化し、それらが不安感やあきらめの気持ち、ストレスを社会全体に広めている。危機に対して一体となって当たるべき時に、すでに国民は精神的に分断され危機感を共有しにくくなっているのかもしれない。このような状況下では人は目の前にみえることに意識を向けるか、現実逃避を選びがちである。公共心の低下、地域の自治組織への参加率低下、自分だけよければという意識の蔓延、働かない若者(ニート)問題、投票率の低下など、いろいろな問題の根本にこの「ビジョンと方針の非共有」が関わっているように思える。
今こそ、今一度将来のありたい国家や地域の姿(ビジョン)を掲げ、現在の経済的危機を招いた原因と現状を把握した上で、そのビジョンに進むための方針が広く国民に共有されることが重要である。ひとりでも多くの人に「次の世代によりよい日本を」という意識が広まるよう私たちが声を出し続けるのと同時に、政治家も方策を唱える前に共有すべきビジョンや方針を繰り返し繰り返し訴えていくことが、国民の意識を変える力となる。
『賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ』という言葉がある。未曾有の危機に直面して、ぜひ先人が危機を乗り越えた歴史に学びたいものである。
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