私が属する戸田市議会会派・令和会(れいわかい)の視察研修2日目は、佐賀県多久市です。


本日の視察テーマはふたつ。


午前は「友好都市交流について」。

午後は「ICT教育について」。


まず、午前の「友好都市について」です。


多久市は戸田市と同じ中華人民共和国に友好都市を持っています。戸田市は開封市ですが、多久市は曲阜市という都市です。


多久市の友好都市交流は、戦後の日中国交回復を期に、当初は民間交流から始まりました。


終戦時、多くの方が中国大陸から引き上げてきて、その方々を中心に民間の交流事業が始まりました。ここで、キーになったのが江戸時代から多久のまちで存続してきた建物でした。


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多久廟。


江戸時代の1708年、多久4代領主・多久茂文によって建てられた聖廟。学問の祖・孔子をお祀りしています。当時、多久領民の心が荒れていたことに心を痛めた多久茂文は、身分の分け隔てなく学べる学問の場「東原庠舎(とうげんしょうしゃ)」と、心の修養の場「多久廟」を多久の地に設けたのでした。


日中国交回復後、民間交流が始まりましたが、多久市の交流先は、この聖廟に祀られている孔子聖誕の地である中華人民共和国曲阜市(きょくふし)でした。


その後、曲阜市から、中国で孔子を祀る時に踊られる釈菜(せきさい)の舞が伝えられました。最初は半分だけ、その後残り全てが伝えられたそうです。


そして、多久市は曲阜市と、平成5年(1993年)に友好都市を締結、現在に至っています。


曲阜市が多久市にこの舞を伝えたのも、多久市が大事に孔子を祀った聖廟を江戸期から今日まで伝えてきたからでした。多久市を訪れた曲阜市の人たちが、日本の多久市でこのように孔子を大切に祀ってきたことを知り、その多久廟を見て感動されたそうです。


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以後、毎年春と秋にこの多久廟で「釈菜(せきさい)」という感謝を捧げる祝祭が行われています。踊り手は主に地元の高校生。雅楽を演奏するのは市の職員さんたちだそうです。


多久市にとって「孔子」「論語」は、江戸時代から受け継がれてきた文化になっています。


各学校に論語が貼られ、現在も市内の小・中学生を対象に「論語カルタ」を使った大会が開催されています。最近では、防災無線を使った夕方のチャイムにも「今月の論語」として、一節が放送されているそうです。もちろんゆるキャラも孔子をモチーフにしたものです。


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友好都市協定を締結した後、定期的に相互訪問を行い、交流をさらに深めている多久市と曲阜市。


多久市では、文化を軸とし、さらにその文化度を子供の時から深めていく試みが行われています。小中学生は論語カルタ、高校生は釈菜の舞。それを大人たちも支えている。


外の文化圏と交流することで、かえって自分たちのご先祖様が伝えてきた文化を意識し、郷土に縁を感じ、誇りと自己肯定感を持つ。そんな動きが多久市で生まれておりました。



戸田市も中華人民共和国開封市と友好都市を締結しており、子供たちのホームステイ留学や市民交流、議会交流を行なっておりますが、多久市のように、交流事業を行なった結果、郷土を強く意識するようになるという効果はまだ全市的には生まれていません。


郷土愛。誇りと自己肯定感。


こういった効果を意識しながら、友好都市交流のあり方進め方を考えていく必要があると思いました。


午後のICT教育」については、明日報告いたします。



(参考)多久市 多久聖廟釈菜(せきさい)

佐賀大学クリエイティブ・ラーニングセンター制作

多久聖廟の歴史も紹介されています。

https://www.youtube.com/watch?v=JAuMRpjv1A8