3月30日(金)に戸田市役所5階会議室で行われた神保国男市長退任セレモニーにて、市長が職員の方々に向けて挨拶された内容です。

私は2階で市長を待っていましたので、挨拶はスピーカーから流れてくる音声を聴き、それを録音しました。

書き起こししながら、改めて人間力の高さを感じました。退任のその時まで、謙虚で、戸田市のためにご自身に厳しい方でした。

神保市長から託された思い、きっとその言葉を聞いていた一人ひとりが受け継いでいく思いを強くしたと思います。

以下、内容です(書き起こしのため聞き間違っている箇所があるかもしれません。ご了承ください)。


↓ ↓ ↓ (ここから)


本日、市長を退任するに当たり、職員の皆さんに感謝の言葉を申し上げます。
いよいよ、皆さんとの別れの時がやってきました。

今、ここに立ち、お一人お一人の顔を見渡しますと、惜別の思いとともに、感謝の気持ちが込み上げてまいります。

市長室の書類を一つ一つ整理しながら、改めて、20年間を回顧していると、数え切れないほどの楽しい思い出や充実した日々が、こげ茶にあせた書類から鮮やかに映し出されました。反面、幾多の苦難にも遭遇し、うなされて目を覚ますほど悩むこともありました。そんな時、実に、市長の職とは図りしれない重圧と孤独感に苛まれるものだと痛感させられたこともあります。それを乗り越えてこられたのも、その時々において、皆さん一人一人の努力と、加えて、最高の布陣に支えられたことによるものに他なりません。最高のステージで、最高のパフォーマンスができました幸せを、今、しみじみと噛み締めています。

これまで、皆さんには、辛い思いをさせたこともあったのではないかと反省の念が尽きません。私は、20年間の職務を終えるにあたり、皆さんのご労苦への謝意はもちろんのこと、何より、皆さんを支えていただいたご家族の皆様に対しましても深く感謝を申し上げたい気持ちで一杯です。

これまで、本当にありがとうございました。

さて、ここからは、私の歩んできた経験をもとに、皆さんにもこれからの人生において役立てていただければと思うことを、私からの最後の宿題としてお話させていただきます。

宿題と言いましても提出は不要です。皆さんが、これからの仕事や日々の生活において実践することにより、その成果が徐々に表れ、戸田市が更に発展していくことが、私からの宿題に対する皆さんからの答えだと期待しています。


まず、ひとつ目は「健康」です。

質が高く、効率の良い仕事や、充実した生活を送るためには、まず、身体的にも精神的にも健康でなければなりません。私も、昔は酒を飲み、タバコも吸いましたが、今ではきっぱりと縁を切りました。また、庁舎内では、意図的にエレベーターは使いませんでしたし、仕事で遅くなる時以外は、毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心掛けました。もちろん、食事にも気を使いましたし、たくさんの本を読むことで知識を肥やすとともに人間学を学び、様々なジャンルの音楽を聴くことで心に栄養を与え、服装も清潔感を意識することで精神的に気持ちを高めてきました。お陰様で、この歳になるまで、大病なく過ごすことができた健康な体を、この世に授けてくれた両親に深く感謝しています。

何事も度を超すと良いことはありません。そして、わかっていても、なかなか実行に移せないのが自分の健康づくりです。皆さんも、意識して、規則正しい生活を実践し、心に栄養を与え、自分の健康は自分で作り上げ、守ってください。そして、何より、自分のこと以上に家族の健康にも気遣うことで、仕事も生活も充実させてほしいと願っています。


2つ目は「信念」です。

今は、仕事も生活も順風満帆かも知れませんが、ふとしたことで、いつ状況が一変するかも知れません。また、人生は良いことばかりとは限りません。楽しいこと、苦しいことがあるのが人生であり、苦しさを乗り越えて、人は更に成長し、人としての魅力を深めるのです。どんな苦難な境遇になったとしても、それを冷静に受け入れることのできる気構えが大切であると思います。それを支えるのが、どんな環境にも動じない皆さん自身の信念です。それも、正しい知識に基づいた、正しい意見は素直に受け入れることのできる柔軟性のある信念です。苦しさの後には必ず幸せが訪れることを信じ、皆さんには、厳しい経験を積むことで人を磨き、苦しさをじっと耐え忍び、やがては幸せを導くことのできる人に成長してほしいと願っています。


そして、最後の3つ目は「優しさ」です。

皆さんは、仕事が思ったように捗らないと、部下や上司を蔑み小言を言っていませんか。そんな時、鏡に映る自分の顔を見てみると、目じりは吊り上がり、きっと険しい人相になっているはずです。誰もが皆さんの思うとおりに動いてくれるわけではありません。まずは、深呼吸をして、「多くの人に支えられて今の自分がいることへの感謝を忘れていないか」と、鏡に映ったもう一人の自分に問い掛けてください。きっと、自分の器の小ささを反省し、やがて、心が和み、笑みを取り戻せるのではないでしょうか。この間、私も、正直、イライラしたこともありました。しかし、叱責も時には必要ですが、そればかりでは人は育たないと気付かされました。ぜひ、皆さんには、どんな些細なことでも相手の立場になって親身に耳を傾け、そして励まし、優しい気持ちで、誰にでも接することを心掛けてください。そして、特に、若い職員の皆さんには、何事にも物怖じせず、謙虚な姿勢で何事にもチャレンジしてほしいと願っています。ひたむきな想いや純粋さには、どんなテクニックや理論を並べても勝らないことは明らかです。これからも、ぜひ、皆さんが市長になった気持ちで、明日の戸田市を担っていただくことを願っています。


以上、私から3つの宿題をお話しました。

私は、これからの人生を、自分のためでなく、社会貢献をしていくことで、これまでの皆さんからの厚情に恩返しをしたいと思っています。そのため、立場は変わりますが、今までと変わらぬ気概を持ち続け、弁護士として一生を捧げる決意です。皆さんお一人おひとりも、「健康」「信念」「優しさ」を実践することで、皆さんの力を結集し、菅原新市長の下、戸田市の飛躍に、持てる力をフルに発揮していただくことを願って止みません。

結びに、私は、いつまでも皆さんのことを気に掛け、そして応援し続けます。これからの戸田市の発展を安心して皆さんに託し、本日、清々しい笑顔で、この場に別れを告げさせていただきます。

20年間、たいへんお世話になりました。
そして、本当にありがとうございました。

↑ ↑ ↑ (ここまで)


IMG_5513