個人的な話です。

私は戸田市でもいくつかの市民活動に参加しておりますが、埼玉県においても、会として不偏不党の立場から、国政議員・地方議員・自治体首長との対話集会や公開討論会を進める市民活動団体「いしん埼玉市民の会」に参加しています。

今、大阪維新の会が衆目を集めておりますが、私たちのいしん埼玉市民の会は20年前より埼玉県で活動してきた団体です。もとは大前研一さんが設立された平成維新の会の埼玉エリアに一般会員として参加していた市民が、政治団体平成維新の会の解散後に、市民(有権者)と政治との距離を近づけるために、対話集会や公開討論会、議会や政治家への提言活動として、市民活動として再スタートさせた会です。

かつては、現在、当たり前のように目にする埼玉県議会議員選挙における選挙公報の発行を埼玉県議会に請願活動として働きかけ、実現させたという経緯もあります(うそのような話ですが、それまでは選挙の際に私たちが参考にする選挙公報が発行されておりませんでした)。

私はこの会に8年前より参加し、現在は会長を務めさせていただいております。昨年は朝日新聞社からインタビューを受け、それが記事になりました(このブログでも報告させていただきました)。

会には、会の主旨に賛同される市民のほかに、自治体首長、国会議員や地方議員の方々もひとりの会員として参加くださっておりますが、会としては政治的に不偏不党の立場をとり、会として選挙における推薦活動や応援活動は一切行っておりません。また、20年間そのような活動を行ってきたことから信用を頂戴し、政治家の方も党派を超えて「対話集会」や「公開討論会」に参加くださっております。


さて、次の文章は、いしん埼玉市民の会が毎月発行している会報の9月号巻頭文です。巻頭文は、会長と3人の副会長が交代で書いているのですが、毎月活動委員会の承認を受けて、会の意見として発表しております。

時の政権与党には厳しい内容になっておりますが、これもエールと捉えていただければと思います。

ご笑覧いただければ幸いです。


閾値(いきち)を超え始めた日本人感情 竹島、原発、そしてその先は・・・

会長 林冬彦 

 先月8月に、これまでなかなか変わらなかった「日本の常識」が覆ったも言える2つの出来事がありました。そのひとつは8月10日に韓国に不法占拠されている 竹島に李明博大統領が上陸し、その後、天皇陛下を侮辱する発言があったのを契機に日本のマスコミが竹島の表現を従来の「日韓が領有権を主張する竹島(韓国 名『独島』)」という表現から「島根県の竹島」に変えたことです。そしてもうひとつが、8月22日の中長期のエネルギー政策に関する政府発表で、実施されたパブリックコメントに寄せられた約7千件の意見のうち即時の原発ゼロを求める意見が全体の81%に上り、かつ政府が7月より開催していた「討論型世論調査」において、2030年時点での原子力発電への依存度0を支持する参加者が、討論(情報提供)の結果、33%から47%に増えたという報告がなされたことです。

 従来なら、日本は竹島問題だけでなく、補償問題など日韓基本条約で解決済みの問題や「従軍慰安婦」などの 論拠が不確かな問題で「謝罪」や「正しい歴史教育」を要求されたり、柔剣道・茶の湯・桜など世界的に知られた様々な日本文化を韓国起源のものとして国際的に主張するような捏造被害にあったりしても、できるだけ事を荒立てず一般に知らせないよう対処してきました。韓国の反日教育の実体を報道しないばかりか、マスコミを使って作為的に「韓流ブーム」を作り上げようとさえしてきましたが、その後の韓国政府や韓国マスコミの反日的主張が加速するにつけて、日本人の韓国に対する感情は明らかに変化し、竹島問題を国際司法裁判所に単独提訴し国際的にも論拠を訴えていくよう、政府やマスコミの姿勢も変わらざるを得なくなりました。



 また、原発問題にしても、政財界の意向にも合う大飯原発の再稼働を決めた政府にとっては従来なら原発推進に都合のよい結果に持って行きたかったところでしょうが、討論型世論調査の過程で行われた意見聴取会で当初電力会社の関係者が意見表明者として参加してい たことがこの聴取会の公平性への疑念を抱かせ、あまつさえ、意見表明者の一人である中部電力社員から「放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいな い」という発言が出るに至り、福島第一原発事故がまだ解決しない中でなお原発を推進しようとする国や電力会社の姿勢に対する国民の不信感は一気に募り、結果、政府もマスコミも原発推進反対の意見を無視できなくなりました。毎週金曜日夜に国会前で行われているデモもそうです。従来なら安保闘争以降、日本人はデモをしないとさえ言われてきましたが、野田首相の「大きな音だね」発言をきっかけに、それまでデモに参加することがなかった市民層にも関心が高まり参加 者が増えてきました。



 心理学などで「閾値(いきち・しきいち)」という概念があります。これは「ある刺激によってある反応が起こる時、刺激がある値以上に強くなければ、その反応は起こらない。その限界値のこと」です。これまで日本人は静かに怒りをためてきました。しかし、どうも その怒りは「閾値」を超え始めたようです。決して楽とは言えない経済状況が続いているのも背景にあるでしょうが、この流れはどうもこれまでのような一過的なものではないように感じます。「従来のように沈静化させよう」という誘導がかえって日本人感情の閾値超えを進めているような感さえあります。尖閣諸島奪取をもくろむ中国への対応もしかりです。



 閾値を超え始めた感情に対しては、「棚上げ」「まやかし」「脅し」はむしろ逆効果で、何が問題なのか正面から向き合い、流れを見ながらタイミングを捉え冷静に的確に論理的にわかりやすく対応する行動でしか対処しえません。感情が高まると人は熱狂し、やがて「モンスター」化する懸念があります。かつての戦争はそのような流れの中で起こったのかもしれません。次の衆議院選挙では今、その対応能力を示したり期待させる政治家や政党に支持が集まることでしょう。

いしん埼玉市民の会, 2012年 9月No.201)

11)
http://www.ishin.org/