今週の月曜日の東京新聞に「食品のセシウム規制強化 4月から新基準導入」という記事が掲載されていました。

記事によると、4月より、食品中の放射性物質を規制する基準がこれまでの値に比べて5分の1まで厳しくなるそうです。

しかし、なぜ4月から? 年度初めだから?

どうしてもっと早くから厳しくしなかったの?

いろいろと思うことはありますが、重要な内容だと思いますので紹介させていただきます。

hoshanou
(東京新聞 2012年1月16日 朝刊)


食品のセシウム規制強化 4月から新基準導入

 食品中の放射性物質を規制する新たな許容基準が4月から導入される。新基準では、福島第一原発事故直後に定められた暫定規制値「食品1キログラム当たりセシウム500ベクレル」が野菜や魚介類など一般食品で5分の1の同100ベクレルに下がる。ただ、全ての食品を検査するのは難しく、厚生労働省などが公表している検査結果を参考にするしかなさそうだ。

(稲熊美樹)

4月から新基準導入

 今月10日、名古屋市の市衛生研究所に、市中央卸売市場で試料として採取した静岡県産の大根一本が届いた。

 研究員は葉を落として水洗いした後、皮付きのまま1センチ角に刻み、一部をさらに細かくカット。「水分が多い食品は刻み過ぎても正確な測定ができず、加減が難しい」。みじん切りになった大根は検査用の容器に詰められ、地下の一室にある「ゲルマニウム半導体検出器」まで運ばれた。

 セシウムなどのガンマ線を測るには、一検体の検査だけで、下処理も含めて1時間半から3時間ほどかかる。この日調べた大根は、検出下限値の5ベクレルを下回る「不検出」という結果だった。

 同市では、東北や関東地方の一都六県から入荷した食品の一部を抜き打ちで検査している。検査体制強化に向け、2台目の検出器の導入が決まっているものの、「検出器を増やしても手間がかかるのは同じ。全ての食品を検査するのは無理」(市の担当者)という。


飲料水は20分の1に 「代替きかない」と厳格化

 厚労省の薬事・食品衛生審議会の部会が新基準案をまとめたのは昨年12月22日。食品を、飲料水・乳児用食品・牛乳・一般食品の4つに分類。 放射性物質のうち、半減期が長いセシウム134と137の合算で、それぞれ10、50、50、100ベクレルと設定した。加工食品は、原材料だけでなく、 製造・加工された状態で、それぞれ一般食品の基準を適用する。

 新基準決定の過程では、年間のセシウムの被ばくを年間1ミリシーベルトに抑えようと、まず各年代、男女ごとに限度値を算出。この値を基に食品から摂取するセシウムの許容線量を導き出し、それぞれの基準を設定した。「流通している全ての食品が汚染されているわけではなく、輸入食品も多く含まれる」として、一般食品の汚染割合は50%と仮定して計算している。

 暫定規制値で200ベクレルとされていた飲料水は新基準では10ベクレルと厳格化。全ての人が相当量を摂取し、代替がきかない点、世界保健機関(WHO)が10ベクレルを指標としていることが理由だ。

 昨年、乾燥した状態で高濃度のセシウム検出が相次いだ製茶は新基準では、茶葉に湯を注いで茶を浸出した状態で、飲料水と同じ10ベクレルが適用される。「小児の期間は、感受性が成人より高い可能性」があるとして、粉ミルクなどの乳児用食品は50ベクレルに。牛乳も、子どもが飲む量が多いことを考慮し、同じ50ベクレルになった。

 厚労省や水産庁が全国の自治体による検査結果を集約してインターネット上で公開している情報を見ると、産地によっては、一部の回遊魚や海底に生息する魚介類などから、最近も100ベクレルを超えるセシウムが検出されていることが分かる。ワカサギやアイナメ、カレイなどで500ベクレルを超えた例も あるが、流通はしていない。水産庁のホームページのほか、「原発事故による農畜産物等への影響」で検索し、厚労省のページを選ぶと、最新の検査結果を見られる。

 食品の安全問題に取り組んできた「食政策センタービジョン21」の安田節子代表は新基準について「恒久的な基準としては100ベクレルは甘すぎる」と指摘。「もっと厳しい基準にしても食べ物が足りなくなることはない。より厳しくすることで、流通している食品は全て安心して食べられるようにするべきだ」と指摘している。