先日、市長選を前にした埼玉県川口市で開催された講演に参加しました。講演者は元千葉県我孫子市長の福嶋浩彦氏。氏は市長退任後、現在、東京財団上席研究員として、市長経験を活かした地方自治や地方分権問題に対する研究提言を行い、また講演等をされています。

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 福嶋氏の講演でもっとも印象に残ったのが、自治体の民主主義と国の民主主義の違いです。当たり前のことですが、国の場合、国民は選挙で国会議員を選びます。民意は国会一つであって、一元代表制です。そして国会が首相を選んで、その首相が内閣を作り、内閣は国会に対して責任を負うという議員内閣制をとっています。一方、自治体の場合は、首長と議会それぞれを市民が選挙で選びます。民意は二つとなり、首長は主に「執行」を、議会は「決定」を担当し、首長も議会もそれぞれ市民に責任を負うという二元代表制となっています。

 「市議会の役割は市政のチェック機能」ということを言われる方がおられるけれど、二元代表制の場合、議会の役割は「決定」であって、市政に対して決定責任をもつ議会と執行責任をもつ首長をチェックするのは市民自身であり、これら3つの力が緊張関係を持ちながら運営されるのが自治体であるということ、だからこそ二元代表制が機能するためには、首長は市政への市民参加を積極的に進め、議会は首長以上に直接市民から意見を聞かなければならない、と福嶋氏は強調されておられました。

 我が戸田市では、神保国男市長のもと「市民パブリック・コメント制度」や市政に直接参加する数多くの市民会議が設けられていて、私自身も公募に応募して市民委員の一人としていくつかに参加していますが、福嶋氏の講演を聴いてその意義を実感しました。他方、議会への市民参加という面では、まだ改善の余地があるように思い、その点では二元代表制がさらによく機能するよう考えていく必要を感じました。

 講演の最後に福嶋氏は、市民が議会に参加するあるべき姿として、北海道栗山町が全国に先駆けて制定した「議会基本条例」のさわりを紹介されました。首長による市政への市民参加が進んでいる自治体では、市民と議会との対話集会の開催や、栗山町のように委員会など議会の正式な場で市民と議員が議論することを取り入れた議会基本条例の制定などが今後取り組んでいく課題のように思いました。