先日、戸田市議会定例会3月議会が始まりましたが、今議会で神保国男・戸田市長から平成21年度の市政方針が発表されました。

今年の重点施策などが盛り込まれていますので、よく読むと今年の戸田市の動きがわかります。

まずは、全文を掲載いたします。

 本日、ここに平成21年第2回戸田市議会定例会が開催され、平成21年度一般会計予算をはじめとする重要な諸案件のご審議をお願いするにあたり、市政に対する私の基本的な方針と施策の概要について申し述べ、市民の皆様ならびに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

(「続きを読む」をクリックください。ただし、長文です。)
≪はじめに≫

 今、世界は「100年に一度」といわれる経済・金融危機に直面しております。昨年にアメリカで発生した金融危機は世界に波及し、実体経済を衰退させております。日本経済も69ヶ月続いた戦後最長の景気拡大が一昨年10月をピークに一転し、景気後退局面に陥りました。雇用状況は悪化を続け、社会全体に暗い影を落としはじめております。

 昨年を振り返りますと、まさに様々な安全、安心が揺らいだ1年でありました。事故米の不正転売や中国製冷凍餃子中毒事件をはじめとした食の安全への不信、景気悪化による非正規雇用者の大量解雇で顕在化した雇用への不安、医師不足等の要因による妊産婦死亡事故が発生するなど医療システムへの不安、厚生年金のデータ改ざんなどによる年金制度への不信など、私たちの生活の基盤ともいえる仕組みの、安全、安心に大きく亀裂を生じた年でありました。そして続いた景気後退により、日本社会全体が出口の見えない閉塞感に覆われ、先を見通せない不安感は次第に高まりつつあるように思われます。

 歴史を紐解きますと、世界中が景気後退に陥った「世界大恐慌」が起きたのは今から80年前です。当時のアメリカでは、この大恐慌に対してルーズベルト大統領がニューディール政策を打ち出し、恐慌の克服に取り組みました。        

 今年、大きな期待を受けて大統領に就任したオバマ氏は、再生可能な新エネルギーへの投資を軸としたグリーン・ニューディールと呼ばれる政策を掲げ、従来型の政策と併せ景気回復を目指しております。

 日本においても、国内版グリーン・ニューディール構想ともいうべき「緑の経済と社会の変革」の策定が1月に環境省より発表され、経済産業省が「低炭素革命」と掲げる、環境対策・雇用創出策と併せて進められる方向です。

 このように、今後は世界においても日本においても、環境と経済が調和した持続可能な社会の構築が景気回復の視点からも重要になると考えられます。市政運営を考える上でも、これらの動きは重要な意味を持つものであり、環境問題への取り組みに関する動きを注視する必要があると考えております。

 昨今、私たちの身近なところで、環境の変化に起因する現象が顕在化しております。昨年は、ゲリラ豪雨と呼ばれる集中豪雨が各地で多発し、人命が失われる被害も発生しました。ゲリラ豪雨の発生原因にはヒートアイランド現象が関係すると見られておりますが、この現象は、内水被害が想定される本市において、市民の安全、安心を脅かす大きな問題となります。このように環境の急激な変化が生活を脅かす事象は増加しております。

 また、安全、安心に焦点を当てますと、昨年本市において、「戸田市市民安全フェスティバル 日本市民安全学会第5回戸田大会」を開催いたしました。住みよいまちの基礎となる安全、安心なまちづくりについて、全国より集まった多くの関係者、市民、団体等の方々による活発な意見交換が行われ、大きな成果をあげることができました。

 さて、冒頭でも申し上げましたように、厳しい社会状況は市民生活にも影を落としはじめており、この状況は今後も続くものと思われます。このような中、市政に求められていることは何か、何をなすべきなのか。生活に一番身近な自治体である市の取り組みが、今、問われているのではないでしょうか。

 私は、なすべきことは、生活者である市民の皆様の声に耳を傾け、それを真摯に受け止め市政に生かす、そして生活に密着した取り組みを展開することにより、皆様に安心の気持ちを取り戻していただくことであると考えております。

 今までもこのことを念頭に置き、市政に臨んでまいりました。今後もこの姿勢を貫いてまいります。もちろん、まちづくりは行政だけで進められるものではありません。これまでと同様に、市民の皆様とのパートナーシップを基本とし臨んでまいります。

 昨年行われた日本経済新聞社の「全国市区の行政サービス調査」における「サービス水準」の総合順位において、本市は全国806市区中第8位、埼玉県では第1位にランキングされました。「子育て」「教育」「公共料金」「住宅・インフラ」部門のサービスでは、県内トップテンに入っております。これは、今まで市民の皆様と進めてきたまちづくりが実を結んだものであると考えております。特に、本市が重点施策として展開してきた、子育て、教育、インフラ整備などの各分野で高い評価を得られたことにより、着実に取り組みの成果が上がっていることを示すことができたと思います。

≪市政運営の基本方針≫

 これまで申し上げてきたことを踏まえ、平成21年度は、次の4つの基本方針に基づき、市政運営に取り組んでまいります。

・ほっとする暮らしのできる、「安全・安心のまちづくり」
・着実に取り組む、「環境のまちづくり」
・住み続けたい、「子どもから高齢者までやさしいまちづくり」
・負担を次代に残さない、「持続可能なまちづくり」

 第1の方針は、ほっとする暮らしのできる、「安全・安心のまちづくり」であります。

 近年発生している通り魔無差別殺傷事件、振り込め詐欺事件など、平穏に暮らしていた人たちが突然巻き込まれる犯罪が横行しております。また、ゲリラ豪雨の被害や、首都直下型地震など、いつ襲ってくるかわからない自然災害も不安を掻き立てます。ほっとする暮らしのできるまちとは、安全、安心、快適で美しいまちです。防犯、防災をはじめとした危機管理の視点と、暮らしやすいまちを創る都市基盤整備の視点を併せ持ちながら取り組みを進めてまいります。さらに、生活に不測の事態が生じた際に安全、安心を確保するセーフティネットの視点も重要であります。

 これらを進めるためには、市民をはじめ、NPOや町会など、地域を支える様々な方々との連携が不可欠であり、引き続き市民の皆様とのパートナーシップを深めながら臨んでまいります。

 第2の方針は、着実に取り組む、「環境のまちづくり」であります。

 本年は地球環境への取り組みにおいて、世界的に大きな動きがあると考えております。12月には「国連気候変動枠組条約締約国会議」がデンマークのコペンハーゲンで開催され、2013年までの温暖化対策の国際ルールを定めた「京都議定書」後の枠組みを決める「ポスト京都議定書」の取りまとめが行われます。地球温暖化をはじめとした環境問題への取り組みは、国、地方自治体、個人と立場は異なりますが、それぞれにおいてできることを、すぐにでも開始しなければならない喫緊の課題であります。本市におきましても、自治体としてできることを積極的に進めなければなりません。また、市民の皆様との連携により、大きな成果を得られるよう取り組みを進めてまいります。

 第3の方針は、住み続けたい、「子どもから高齢者までやさしいまちづくり」であります。

 本市は、子育て世代が多く活気にあふれるまちです。以前より年少人口の伸びは緩やかになりましたが、現在も増加を続けております。子どもが輝くまちは、私たち大人も輝くまちであります。引き続き戸田市の実情に応じ、教育の充実・子育て支援を展開してまいります。

 しかし、日本全体が人口減少社会に突入した今、本市も高齢社会に対応した準備を着実に進めなければなりません。また、医療の進歩により日本人の平均寿命は年々伸び、元気な高齢者が多くなってまいりました。住み慣れた地域で生き生きと元気に歳を重ねることができるまちを構築してまいります。

 また、市民生活を支える上で生命にかかわる地域の保健・医療の充実は、重要な課題であります。出産前から誕生、小児、青年、成人、壮年、老年の全てのライフステージにおいて、適切な保健・医療サービスの提供を図ってまいります。さらに、今後は保健・医療分野と福祉分野との緊密な連携が重要となることから、それらを見据え取り組みを進めてまいります。

 第4の方針は、負担を次代に残さない、「持続可能なまちづくり」であります。

 昨年末、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、各自治体の平成19年度決算の報告値が公表されました。その結果をみますと、財政再生基準を超過した自治体は3団体、早期健全化基準を超過した自治体は実に40団体もありました。現在、本市は比較的健全な財政状況にありますが、今後これらの自治体のような事態に陥る危険性が有り得ることを念頭に置き、引き続き行財政改革を推進し、次代に過度な負担を残さない持続可能なまちづくりを目指さなければなりません。今後も地方分権の流れはさらに加速してまいります。本市におきましても、それに対応できるよう適切な体制をとり、効率的、効果的な行財政運営を実施してまいります。

 以上の基本方針に基づき、平成21年度の市政運営に臨んでまいります。


≪予算編成方針≫

 次に、平成21年度予算編成方針について申し上げます。

 本市の財政見通しにつきましては、昨年後半からの景気後退により、市税収入の伸びは期待できない一方で、扶助費等の義務的経費や国民健康保険、介護保険等の医療・福祉給付費に加え、各種施設の老朽化に伴う維持補修費の増加傾向により、例年以上に厳しい状況にあります。また、土地区画整理事業等の都市基盤整備をはじめ、子育て・教育環境の整備、市民の安全確保、環境対策の推進に至るまでの様々なニーズにおいて、将来にわたり多額の財政需要が発生することが予想されます。さらに、市債残高は毎年着実に削減を進めておりますが、土地開発公社への債務保証額を合わせると、平成20年度末の見込額で約500億円となり、この解消には多額の財源が必要となってまいります。

 このような状況を踏まえ、新年度の予算編成にあたりましては、これまでの行政改革の成果を後退させることなく、適正な収納対策の推進による市民負担の公平性の確保や行政評価、枠配分予算の実施による事業の見直し、統廃合により財政の健全性を堅持するとともに、施策の優先性・緊急性の高い事業につきましては、国県補助負担金の確保や基金の活用により、積極的な事業実施を図り、重点的に予算を配分するよう予算編成を行った次第であります。


≪平成21年度の主な施策≫

 それでは、戸田市第3次総合振興計画の7つの大綱に沿って、平成21年度予算案に基づく施策の概要について順次ご説明申し上げます。

 第1の柱は、「保健・医療・福祉」であります。

 まず、「安心できる子育て環境づくり」について申し上げます。

 子育て支援については、平成22年度からスタートする「次世代育成支援後期行動計画」の策定に取り組んでまいります。また、既に実施している乳幼児医療費支給事業に加えて、就学後のこどもを対象とするこども医療費支給事業を創設いたします。さらに、母子家庭に支給されている児童扶養手当に準じ、父子家庭に経済的支援を行うために児童育成手当支給事業を創設いたします。

 そのほか、授乳やおむつ交換などの場所として市内の公共施設に「赤ちゃんの駅」を設け、子育て支援の充実を図ってまいります。

 保育園については、待機児童解消策及びこだま保育園廃園の代替保育園として、4月から戸田駅西口に民設民営による「戸田駅前さくら草保育園」を定員120人で開園してまいります。また、給食調理業務の民間委託については、現在7園で実施しておりますが、平成21年度から笹目東保育園においても実施してまいります。

 学童保育については、定員拡大と待機児童の解消を図るため、笹目小学校学童保育室の建て替えを実施し、笹目東小学校については、教室の増設に併せて、施設の拡充を図ります。

 次に、「生き生きとした長寿社会づくり」について申し上げます。

 高齢者福祉については、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、サービスの拡充を図りながら、「第4期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の初年度として、高齢者を地域で見守る体制づくり、地域包括支援センターの1カ所増設、介護者に対する支援の促進など、地域ぐるみの介護予防に努めてまいります。

 また、介護現場での慢性的な人手不足の解消を図るため、平成21年度限りの事業として、市内で介護サービスを提供している事業者に対して、市民を用し、雇用期間中にヘルパー2級資格を取得させる場合に、事業者に助成金を交付する介護職員緊急雇用対策事業を創設いたします。

 後期高齢者医療制度については、制度発足から1年が経過いたしましたが、機会あるごとにその周知を図ってまいります。

 福祉センターでは、高齢者の介護予防、健康増進や仲間づくりを支援するいこいの室やふれあい事業を引き続き実施し、福祉の増進を図ってまいります。

 介護老人保健施設では、平日及び祝祭日と年末に実施している通所リハビリテーション事業を土曜日も実施し、在宅支援のより一層の拡充を図ります。また、地域ケアサービス事業と連携・協働してニーズに添ったサービスを提供することで、住み慣れた地域で自立した日常生活が安心して送れるよう、在宅の要介護者・要支援者と介護している家族等を支援してまいります。さらに、家族介護教室の対象者を施設利用の家族だけでなく、近隣住民へも拡大し、地域に開かれた施設を目指します。

 次に、「ノーマライゼーションの社会づくり」について申し上げます。

 障害者福祉については、初年度となる第2期「戸田市障がい福祉計画」に基づき、障害者自立支援法による障害福祉サービスや地域生活支援の充実に努めるとともに、通所施設利用者の負担軽減を図ってまいります。また、現在建設中の下笹目市営住宅でのケアホームの開設準備を進めるとともに、法定化する福祉作業所への支援や障害者就労支援センターを中心とした障害者の就労等の社会参加を引き続き支援してまいります。

 次に、「幸せを支える健康づくり」について申し上げます。

 医療保健センターは、建物の老朽化等により今後の改修が必要となってまいります。そこで、診療施設と隣接する介護老人保健施設の今後の整備、運営のあり方を審議する組織として、有識者と市民代表による施設整備審議委員会を設置してまいります。

 診療事業については、休診しております整形外科を平成21年度中の早期に再開し、診療科目の充実を図ってまいります。

 保健事業については、健やかで安全な出産を迎えていただくために、4月から妊婦健康診査の公費負担回数を5回から14回に拡大します。乳がん検診については、定員枠を増やし検診の充実を図るとともに、ピンクリボンウォークなどによる啓発活動を引き続き実施してまいります。また、平成22年度までに食育基本法を踏まえた「戸田市食育推進計画」の策定を目指して計画づくりに着手します。新型インフルエンザ対策については、「戸田市新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、個人、家庭に対し、感染予防対策の啓発を行うとともに感染症防護対策品等を購入し、発生後の初期対応に備えてまいります。

 次に、「明るく暮らせる地域社会づくり」について申し上げます。

 健康福祉の杜第2期整備事業については、福祉保健施設の平成23年度開設に向け、事業用地の購入及び実施設計業務を行ってまいります。

 生活困窮者などに対しては、安定した生活が営めるよう生活相談、助言等を行い、必要に応じ経済的支援を行ってまいります。また、要保護世帯については、多様化・複雑化してきている問題に的確に対処するとともに、必要な援助等を行いながら、経済的・社会的自立の支援を図ってまいります。

 国民健康保険事業については、平成20年度よりスタートした生活習慣病予防のための特定健康診査・特定保健指導を円滑かつ着実に推進し、医療費の抑制に努めてまいります。また、制度運営の健全化、安定化を図るために、引き続き国民健康保険税の適正な賦課及び税収の確保に努めてまいります。国民年金事業については、社会保険事務所等と一層の協力連携を図りながら、窓口相談の更なる充実と年金制度の周知に努めてまいります。

 第2の柱は、「学校教育・生涯学習と文化」であります。

 まず、「未来を担う個性ある人づくり」について申し上げます。

 学校教育においては、「学習意欲の向上」「心の教育の充実」「健康と体力の向上」「信頼される学校づくり」の4本を柱とし、「子どもと教師かがやく学校づくり」の実現に努めてまいります。

 学習・学力面では、新しい学習指導要領に基づく学校教育への移行措置を着実に進めながら、教職員の資質と指導力の向上を図るための研修会の充実を図り、全小中学校での「楽しい授業、わかる授業」の実現を目指します。さらに、市独自の非常勤職員の配置による学力の向上を目指した取り組みや、ALTを各校に1人配置し英語教育の推進にも努めてまいります。

 また、いじめや不登校のない明るい学校づくりに向けて、教育相談の充実をはじめ、様々な体験等を通した心の教育の推進、学校と地域とが一体となった学校応援団の質的充実を図りながら、学校を支援してまいります。  

 さらに、特別支援学級の増設や、障害のある児童・生徒へ一貫した教育支援を充実する文部科学省委嘱の特別支援教育グランドモデル事業に取り組むことなどを通して、より信頼される学校づくりに努めてまいります。

 教育環境の整備としては、学校施設は地震等の災害時における児童・生徒等の安全を守るとともに、地域住民の避難場所となることから、耐震化を引き続き推進してまいります。なお、校舎は平成21年度をもって全校の耐震化を終えます。また、トイレ改修事業をはじめ施設整備等の充実を図り、快適で楽しく学べる環境整備に努めてまいります。

 児童・生徒の安全対策については、中学校への防犯カメラの設置や、小中学校への防犯器具の配備をはじめ、学校警備員の配置など、不審者対応を含めた学校の安全確保に取り組んでまいります。また、登下校時には、引き続き交通指導員を配置し、通学路の安全確保に努めてまいります。

 健康・体力面では、体力向上チャレンジ事業の充実を図りながら、体力向上プログラムへの取り組み、学校給食を中心とした食育の推進に努めてまいります。また、学校給食センターの建て替えは、平成23年度中の稼働に向け事業を進めるとともに、単独校調理場については、笹目東小学校に7校目となる調理場を建設してまいります。

 青少年の健全育成については、放課後子ども教室実施校の拡大に努めるとともに、青少年団体の活動支援や青少年の様々な体験活動の促進を図ります。また、子どもたちの安全確保や非行防止の取り組みを推進してまいります。

 次に、「自ら学び、楽しめるまちづくり」について申し上げます。

 生涯学習の振興については、生涯学習の機会と情報の提供とともに、平成20年度より開校いたしました戸田市民大学の更なる充実と家庭教育の一層の推進を図ってまいります。

 スポーツ振興については、生涯スポーツ都市の実現を目指し、各種事業の充実を図ってまいります。また、平成20年度末に発足する芦原地区総合型地域スポーツクラブについては、組織の充実と会員による自主運営を目指し、県のクラブ育成アドバイザーの巡回や指導の要請を図るとともに、自主運営が軌道に乗るまでの間、運営に対する助言及び助成を継続してまいります。施設面では、スポーツセンター・テニスコートの照明設備を2面整備することにより、夜間利用の混雑緩和を図ります。

 公民館では、子育て・環境・防犯などの今日的課題を中心に、4公民館それぞれの特性を生かした講座を開催してまいります。また、図書館・郷土博物館では、開館25周年を迎えますことから、これまでの歴史を踏まえた様々な記念事業を、年間を通じて展開してまいります。さらに、図書館では、市内4分室の運営を委託することにより、業務の効率化を図り、より一層の市民サービスの向上に努めてまいります。また、彩湖自然学習センターでは、自然観察を中心とした各種事業をより一層充実させてまいります。

 次に、「歴史と文化の薫るまちづくり」について申し上げます。

 文化財の保護については、市内文化財の調査、保護、保存を図るとともに、歴史の道説明板設置や文化財講座を開催し、地域文化財に対する市民の理解を深めてまいります。

 芸術文化の振興については、市民の芸術・文化活動を支援するため、市民ミュージカルや、戸田音楽祭、戸田市美術展覧会などへの支援及び文化協会などの団体等に対する助成を継続してまいります。

 第3の柱は、「環境と市民生活」であります。

 まず、「地球と共に生きる社会づくり」について申し上げます。

 本格的な取り組みが急務である地球温暖化対策を推進するため、「(仮称)地球温暖化対策条例」を制定し、温室効果ガスの削減に努めてまいります。また、市民が取り組む温暖化対策を支援するため、太陽光発電システムや高効率給湯器等の環境配慮システムへの設置補助を継続するとともに、国の制度である「環境モデル都市」の認定を目指して、省エネ電球型蛍光ランプの使用啓発等に取り組んでまいります。

 ごみ対策及び環境美化対策については、家庭から出る生ごみのリサイクルをさらに広げるため、生ごみと花の苗を交換する取り組みをさらに推進し、家庭ごみの一層の減量化を図ることで、環境にやさしい循環型社会の構築に努め、併せて花を植えることできれいなまちづくりを進めてまいります。

 また、平成20年6月に施行された「戸田市ポイ捨て等及び歩行喫煙をなくす条例」の一層の啓発を進め、きれいで住みよいまちの実現に向けて、取り組みを推進してまいります。

 次に、「安全、安心なまちづくり」について申し上げます。

 防犯対策については、青色回転灯装備車によるパトロールを2台から3台に増やすとともに、AED装備の公用車によるパトロールも開始し、「見せる防犯活動」を強化してまいります。また、地域に根付いた活動として、町会・自治会のほか、学校・保護者を対象にした防犯教室の充実に努めてまいります。

 災害対策については、防災対策の要となります「自助・共助」への理解を深めていただき、災害に対する防災意識の高揚を図るため、各自主防災会ごとに作成いただく「住民版地域防災計画」づくりに向けて準備を進めてまいります。

 危機管理対策については、市民の生命と財産を守るため、武力攻撃など、時間的に余裕のない緊急事態に関して、国からの情報をいち早く市民に知らせることができる全国瞬時警報システム(J−ALERT)の導入に向け、防災行政無線のデジタル化移行調査を進めてまいります。

 交通安全対策については、事故状況を分析して危険交差点を選定し、集中的に交通安全施設の充実を図ってまいります。

 消費者問題については、充実した相談業務により問題解決を図るとともに、学校や老人会等への出前講座を積極的に実施し、振り込め詐欺やインターネット犯罪を未然に防ぐよう啓発を強化してまいります。

 消防体制については、年々増加しております携帯電話等からの119番通報に迅速に対応するため、119番受信体制の強化を図ってまいります。また、大規模災害時の防災拠点となる消防施設の整備や消防車両の計画的な更新・整備を行うとともに、大地震発生時に活用できる耐震性防火貯水槽の設置を進め、消防力の充実と強化を図ってまいります。また、複雑多様化する各種災害に対応できる消防体制を図るため、消防職・団員の増強等、総合的な消防防災対策を積極的に展開してまいります。

 第4の柱は、「産業と労働」であります。

 まず、「活気ある産業のまちづくり」について申し上げます。

 工業振興対策については、工業事業者が操業しやすい環境をつくるため、市内の工場や倉庫の事業内容や市民生活・経済への影響などについて解説したプレートを制作・掲示する工業見える化事業を創設いたします。また、会社概要の作成を支援し、事業内容を近隣住民に積極的に知らせることにより、市民の工業に対する理解の醸成に努めてまいります。さらに、昨年創設した工業系用途地域に工場新設・増築・設備投資を行う企業を支援する産業立地推進事業を、引き続き実施してまいります。また、新技術研究開発やISO認証取得、環境対策のための設備導入などに対する各種補助事業も、引き続き実施してまいります。

 創業支援については、起業支援センターの入所者に対し、経営の基礎力を高めるための支援策を充実するとともに、センターから巣立った企業や市内企業等との交流を促進し、企業間情報ネットワークの基盤づくりを進めてまいります。併せて、同センターについては設立から5年が経過し、設立当時とは起業の環境や形態が変化してきたことから、実情に即した運営を図ってまいります。

 制度融資については、中小企業の資金繰りを円滑にし、経営の安定化を支援するため、制度融資の金利を現行金利からさらに引き下げるとともに、緊急特別資金融資を併せて実施してまいります。

 次に、「賑わいのある産業のまちづくり」について申し上げます。

 商業振興対策としては、商業名産品創出事業を創設し、商業活動の拠りどころとなる名産品の創出に向けて、商工会と連携し食べ物をテーマとする市民参加型のコンテストを実施します。さらに、優秀作品が将来的に民間事業者の手で普及していくよう努めるとともに、市民がアイデア考案の過程において戸田市の地域資源を見つめ直す契機としてまいります。また、まちに賑わいを創出するだけでなく、地域コミュニティにも寄与する商店会活動への支援、市民の安全な通行に寄与する街路灯への支援等を引き続き実施してまいります。

 次に、「生き生きと働く環境づくり」について申し上げます。

 労働雇用対策については、現下の厳しい雇用・就労情勢を踏まえ、地域職業相談室の利用促進と就職実績の向上を図ってまいります。また、若年者向け就職相談、就職セミナー、就労意欲のある人たちに対する能力開発支援講座を実施し、一人でも多くの就労を支援してまいります。さらに、雇用者側に対しましては、労働法講座を通じて適正な労使関係の構築に資するとともに、国の退職金制度の加入促進を図るための掛金補助制度を継続してまいります。

 第5の柱は、「都市基盤と生活基盤」であります。

 まず、「機能的な市街地づくり」について申し上げます。

 市街地環境の維持については、1月15日に決定した戸田都市計画高度地区に基づき、その運用を図りながら、良好な市街地環境の維持に努めてまいります。また、都市マスタープランについては、実現に向け関連事業の進行管理を行うとともに、「戸田市都市まちづくり推進条例」に基づいた市民主体のまちづくりの取り組みに向け、啓発などに努めてまいります。さらに、社会情勢の変化等に伴い、都市マスタープランの見直しの必要性が生じてきたことから、その見直しにかかる調査・検討を進めてまいります。

 新曽第一土地区画整理事業については、家屋の移転を促進するとともに道路等の整備、さらに洪水対策として2基目の調整池の築造を進めてまいります。

 新曽第二土地区画整理事業については、工事・建物移転計画に基づき関係権利者の理解と協力を得ながら、引き続き宅地造成や道路築造の工事及び家屋移転を順次実施してまいります。

 市街地整備事業のうち、新曽中央地区では、協議会でまとめられた案を基に地元合意を得ながら地区全体のまちづくり整備計画を決定してまいります。川岸地区では、協議会活動を支援しながら密集市街地の改善に向けた事業を導入してまいります。また、市内3駅周辺では、地域との協働により駅前にふさわしい街並みの形成に向けて取り組んでまいります。さらに、北戸田駅東口の市街地再開発事業については、早期着工に向けて引き続き取り組んでまいります。

 道路整備については、都市計画道路の整備として、新たに前谷馬場線整備事業を展開するとともに、歩行者等の安全確保に資する歩道整備や一本橋の架け替えに向けて順次事業を進めてまいります。また、道路照明灯の増設や舗装補修等の更なる整備を実施し、適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、「水辺と花や緑の美しいまちづくり」について申し上げます。

 景観行政については、戸田市景観計画に基づき戸田市都市景観条例の改正を行い、良好な景観形成に努めてまいります。

 公園整備については、地域の意見を伺いながら利用者の利便性や安全性の向上を図るため、施設の整備・改修を行ってまいります。また、彩湖・道満グリーンパークを中心とした周辺地域では、かつての戸田ケ原の自然再生や保全に向け、引き続き個別構想案を作成するとともに、サクラソウやトダスゲ等の自生地再生工事に着手してまいります。さらに、荒川水循環センターの上部利用にては、地域や市民の意向を把握しながら、供用開始の実現に努めてまいります。環境空間は、花と緑で彩られた緑地・緑道として整備し、「戸田 華かいどう21」の実現に向けて取り組んでまいります。

 河川の浄化については、国・県・市が連携して取り組んでいる「水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンス供法廚亡陲鼎、上戸田川浄化施設及び浄化導水施設の効果をより高め、引き続き市内河川の水質モニタリング調査を実施してまいります。河川改修のうち、上戸田川改修事業については、新曽第二土地区画整理事業の進捗に合わせ実施してまいります。また、さくら川改修事業については、護岸整備事業を引き続き実施するとともに、辺島橋架替事業においても早期完成を目指してまいります。

 次に、「快適な生活環境づくり」について申し上げます。

 市営住宅については、平成21年10月の完成を目指して、下笹目住宅の建て替え工事を進めてまいります。

 公共下水道事業においては、雨水事業について、平成20年3月に新曽地区の事業認可を得たことから、整備を進めるとともに、引き続き笹目地区及び美女木地区の雨水排水施設を整備してまいります。また、新曽ポンプ場については、平成22年度の完成を目指し、更新工事を進めてまいります。汚水事業については、引き続き新曽第一土地区画整理事業地区内の整備を進めてまいります。また、新たに事業認可を得た新曽第二土地区画整理事業地区及び新曽中央地区については、下水道幹線の築造とともに、両地区の道路整備等の進捗に併せて、整備を進めてまいります。

 水道事業については、安全・安心・信頼を基本理念として、安全な水を安定的に供給し、災害に強い水道とするため、引き続き水道施設の更新と耐震化を計画的に進めてまいります。また、事業の堅実な経営を図り、透明性を高めな がらコストの縮減と効率的な経営を推進し、経営基盤の強化に努めてまいります。

 コミュニティバスについては、利便性の向上を図るため東循環を中心とした路線検討案をまとめてまいります。

 第6の柱は、「参加と交流」であります。

 まず、「市民との協働のまちづくり」について申し上げます。

 地域コミュニティづくりについては、「地域コミュニティ推進計画」を基本として、「地区コミュニティ協議会実施計画」を策定し、各地区にコミュニティ協議会を設置するための準備を進めてまいります。

 市民活動の推進については、平成20年度に実施した市内のNPO法人実態調査の結果をもとに、「戸田市市民活動推進基本方針」の施策を具現化してまいります。特に「協働をすすめる体制の確立」に力を入れ、基金設立の検討や協働の促進に向けた研修会の実施等、市民と協働のまちづくりに努めてまいります。

 広報活動については、市政情報を「広報戸田市」や市ホームページ等により、引き続きわかりやすく提供するとともに、平成20年度に作成した「生活便利帳」の外国語版を発行いたします。広聴活動については、「市民の声」をデータベース化し、市ホームページで公開するなど活動を充実させてまいります。

 「情報公開制度」及び「パブリック・コメント制度」については、市民への説明責任の全うと、事業立案への市民参画を促進するための基盤となる制度でありますので、附属機関等の会議の公開など、さらに充実を図ってまいります。

 次に、「男女共同参画の社会づくり」について申し上げます。

 男女共同参画事業については、新たに策定した「第四次男女共同参画計画」に基づき、推進してまいります。また、男女共同参画センターを拠点として、引き続き各種事業について、充実を図ってまいります。

 次に、「情報化に対応した地域づくり」について申し上げます。

 電子市役所の推進については、情報システムの適正な導入に向け、引き続き取り組んでまいります。また、議会本会議の中継やホームページ等の情報発信については、市民の視点に立った情報の提供に向けて再構築を行うとともに、セキュリティを確保した、より良い情報提供の充実に努めてまいります。さらにホストコンピュータ関連事業については、民間企業を活用した運用委託を引き続き進めていくとともに、コスト削減に努めてまいります。

 次に、「交流を基盤とした地域づくり」について申し上げます。

 国際交流については、中国の開封市との友好都市締結25周年を迎え、新たな協議書への調印のため、友好代表団を派遣いたします。また、オーストラリアのリバプール市については、2010年に同市が誕生200周年を迎えることから、記念式典参加に向けての準備を進めてまいります。国内交流については、埼玉県美里町、福島県白河市との友好関係をより深いものとするために、活発な市民交流を実施できるよう支援してまいります。

 第7の柱は、「行財政運営」であります。

 まず、「地方分権に対応できる市民中心の行政運営」について申し上げます。

 平成23年度から始まる戸田市第4次総合振興計画については、社会的課題、市の財政状況等を総合的に判断し、政策・施策の優先性、重点性を明らかにする計画とし、より効率的で効果的な行政活動を行うため、まちづくりの主役である市民の皆様と引き続き市民会議を開催し、協働の視点に立った戦略計画として策定してまいります。

 行政評価については、評価の客観性及び信頼性を確保するため、第三者からの視点で点検・検証する外部評価を試行的に実施することで、わかりやすく透明性の高い行政経営を実現してまいります。

 また、政策研究所では地方分権や都市間競争に対応した的確な政策展開を行うことができるよう、調査研究を行い政策に生かしてまいります。

 人材育成については、接遇・説明能力や政策形成能力を強化する研修の充実を図りながら、市民の信頼と期待に応えられる、主体性のある人材の育成に努めてまいります。

 昨年10月より実施している日曜開庁については、回を重ねるごとに来庁者が増えていることから、引き続き実施してまいります。さらに、市民の利便性の向上を図るため、平成22年度稼働に向け、行政サービスの一部を利用できる窓口「(仮称)戸田公園駅前行政センター」を整備いたします。市民課においては、各種証明書の申請の際の記載方法等を説明する案内専任の窓口係員、愛称「市民すけっと」をロビー側のカウンター近くに配置し、よりきめ細やかな窓口サービスの向上を図り、市民の満足度を高める体制を整えてまいります。

 次に、「健全で効率的な財政運営」について申し上げます。

 財政運営については、いわゆる財政健全化法により地方自治体の財政状況に関する説明責任が強く求められている中で、コスト意識の徹底と行政内部の経費削減に努め、財政の健全性を堅持してまいります。また、行政の信頼確保と情報開示の徹底を図るため、新公会計システムの導入を推進してまいります。

 また、地方分権の進展に伴い、自立した自治体として、財源の確保は重要な課題であります。税の徴収については、景気後退局面で、ますます厳しくなると予想されることから、公平で適正な徴収体制を充実し、滞納税の早期解消を図るため、滞納処分の強化をはじめインターネット公売を実施するなど、一層の収納率向上に努めてまいります。

 入札・契約制度では、地元企業の経営を取り巻く環境が極めて厳しい状況にあることを踏まえ、工事、物品の早期発注に努めるとともに、公共事業の前金払について、対象を拡大して適用してまいります。また、公共施設の維持管理については、市民の視点に立った施設の有効活用と長寿命化を図るため、総合的な維持管理手法の導入を進めてまいります。

 以上、主な施策の概要について申し述べてまいりましたが、予算編成方針に則り編成いたしました新年度の一般会計当初予算案の規模は、対前年度比で8.5%の増となる424億8000万円となっております。
 
≪おわりに≫

 結びに、市民の皆様が安全で安心して暮らすことができ、世代を継ぎながら住み続けられるまちをつくり上げることが、私の使命であると考えております。本市は、年間100万人以上の方が訪れる彩湖・道満グリーンパークや戸田ボートコースなど、多くの水と緑の空間を持ち、市民一人当たりの公園面積は県内の市で第4位にあります。休日には子どもを連れた多くの家族が憩い、それはまさに首都圏のオアシスといった様相であります。古よりオアシスには人々が集い、交易が行われ、文化が栄えてまいりました。私は、本市を都会に隣接するオアシスのようなまちとイメージし、そのような都市に育ててまいりたいと考えております。皆様に「戸田市に住んでよかった、住み続けたい」と実感していただけるまちを目指し、市政運営に取り組んでまいる所存でございます。

 最後に、新年度も市民の皆様ならびに議員各位に、市政へのご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、平成21年度の施政方針といたします。